ハッピーは窓辺でピーナッツを食べながら、
今日も本を読んですごしていました。
夜の窓辺はすずしくてとても気持ちがいいのです。

本をよみおえて、窓を閉めよとした時声がしました。
「こんばんわ。そのピーナッツをボクにもわけてくださいな。」
ハッピーはキョロキョロ 声のする方をさがしました。
するとハッピーの頭の上に、小さな青い鳥がいました。

「あなたはしあわせの青い鳥?」
ハッピーは青い鳥の本を読んだことがありました。
「そうだよ。ボクはしあわせの青い鳥」
ハッピーはわくわくしながら
手のひらにピーナッツを乗せてさしだしました。
おいしそうにハッピーの手の上でピーナッツを食べる
青い鳥をそっとつかみ、窓をしめました。

”こんなに簡単にしあわせの青い鳥を
つかまえることができるなんて”

ハッピーはとてもよろこびました。
さっそくきれいなカゴに青い鳥を入れて飼うことにしました。
おいしいピーナッツもたくさんあたえました。
澄んだ飲み水もピカピカのガラスのうつわであたえました。

「いいこと、とても大事にあなたを飼ってあげるわ。
だからあなたは、あたしをうんとしあわせにしてちょうだい。」

しかし、何日たってもハッピーの生活は
いままで通りかわらないのです。
ママとパパもいつもと同じだし、
ごはんもいつもと同じ。
服も家具も同じ。
まったくなにもかわらないのです。
ハッピーは青い鳥に聞きました。
「ちっともしあわせにならないじゃない。
いつになったら、しあわせがくるというの?」
すると青い鳥は言いました。
「あなたはもう、とってもしあわせなはずです。
これ以上のしあわせを、ボクはあたえることはできません。」
ハッピーはおこりました。
「こんなに大事にあなたを飼ってあげているのに、
これ以上のしあわせはないですって?」
ハッピーはとてもイライラしました。

”もっとたのしくて、
もっとピカピカで、
もっとあったかくて、
もっときもちのいいしあわせがあるはず!
この青い鳥はにせものだわ!”

そしてハッピーは、カゴの中から青い鳥をとりだして、
青い鳥のきれいな青い羽を全部むしりとってしまいました。

羽のなくなってしまった青い鳥は言いました。
「目の前にあるしあわせに気がつけないあなたが、
これ以上のしあわせを手にしても、
きっと満足はしなかったでしょうね。」
そして、青い鳥はユメのようにハッピーの目の前から消えました。

残ったのは、ママもパパももたない
ボロボロの服をきたみなしごのハッピーだけでした。