小さな星にはユメがありました。

「いつか、みんなのお願いごとをかなえられる流れ星になりたいな」

小さな星には、だれよりもかがやきながら
大急ぎで流れてゆく流れ星がとてもりっぱに見えました。

「ボクが流れ星になったら、
いったいダレがどんな願いごとをとなえるのだろう?」

そんなことを考えるとワクワクがとまりません。
ある日小さな星は、夜のまどべで本を読む少女を見つけました。
そして、あっというまに恋をしました。
少女は読書の途中しばしばたいくつそうに
空を見上げて、小さな星を見つめていました。
小さな星は思いました。

「あの子のお願いごとをかなえてあげたい」

小さな星は流れ星になる決意をして、
物知りの大きな星に聞きました。

「流れ星になるにはどうしたらいいの?」

大きな星は目を見開き、おどろきながら言いました。

「流れ星になるには、キミはまだまだ早すぎるよ!
流れ星は何年もこうやって光り続けて、
年をとった星たちが最後のおつとめをする事なんだよ。
今、流れ星になったら、君はすっかり消えてしまうんだ」

小さな星は少し考えたけれど、少女のことを考えると、
流れ星になりたくてなりたくてしかたがありません。

「いいから、どうしたらいいのか教えてよ」

とむりやり流れ星になる方法を聞き出しました。
大きな星はためいきをつきながら、

「お月さまのところへ行って、
キミの糸を切ってもらえば流れ星になれる。」

と教えてくれました。
さっそく小さな星はお月さまのところへ行きました。

「お月さま、どうかボクの糸を切って下さい。
ボクは流れ星にいますぐなりたいんです」

お月さまも最初はとめましたが、小さな星はなにを言っても聞きません。
しかたなく手をのばすと糸をプツンと切ってしまいました。
小さな星は空のやみにすべりだしました。
少女が気付くようにと一生懸命光りながら、スルスルと落ちてゆきます。
まどべで本を読んでいた少女は、小さな星の光りに気がついて、
あわててお願いごとをとなえました。

「流れ星さん、どうか私をしあわせにしてください」

小さな星は少女のお願いごとをしっかりとだき締めて
深い深いやみの中に消えてゆきました。
小さな星が消えたやみからは、やがて青い鳥が
羽をひろげて、少女のもとへ飛んでゆきました。